【未だ現役】磁気テープが保存媒体として再び脚光を浴びる!一体なぜ?
現在はブロードバンドが一般的になって、とんと市場で存在を見かけなくなった
VHSテープ(若い人はもしかしたら知らないかも?)ですが、一般家庭ではほとんど見なくなった
この磁気テープが、現在とある業界で脚光を浴びているそうです。
VHSテープは、既に淘汰され、現在一般家庭ではディスク媒体が一般的なのですが
果たして、この磁気テープが見直されている現場はどこで
その理由は、一体どんなところにあるのでしょうか。
磁気テープでも大容量保存が可能に!
磁気テープというと、昔カセットテープとかビデオテープに使われていた記録媒体…というのが、一般的に認知されていたところかと思います。
ただ、今回磁気テープが見直されている現場はカセットテープや
ビデオテープの「家庭用」の磁気テープではなく「産業用」の磁気テープなのだそうです。
「産業用」の磁気テープとは、例えば「データの保存」に使ったりするのだそうで
カセット・ビデオテープ時代の磁気テープを知る人間としては
そんなデータの保存に使えるのか!と、ある意味驚きであります。
データ保存年数が大幅にアップ!省エネにも!
現代の情報化社会において、膨大な量のデータの保存というのは実は、管理者を悩ませる問題の一つです。
大容量というと、テラバイトレベルの大容量HDD(ハードディスクドライブ)や
光ディスクと言った媒体を、個人的には思い浮かべるのですが
現在は技術の進歩で、磁気テープにも大容量のデータを保存できるのだそうです。

※テープストレージ機器の一例。写真はヒューレット・パッカード社のHP C0H19A。
本体を一つ買ってしまえば、後は中のテープを入れ替えて記録すればいくらでも容量が増やせる。
今年4月には、カセット1巻にDVDディスク約5万枚分のデータを記録できる
磁気テープも開発されたそうで、もはやディスクを超える大容量記録メディアを
磁気テープは実現しているそうです。
また、HDDや光ディスク等に比べると、非常に寿命が長いとのことで
HDDは常に電源供給を求められ、モーターの摩耗から寿命が3~5年程度なのに対し
磁気テープは30年ほど持ち、電力を必要ともしないため
HDDなどでの保存に比べて、省エネも期待できるとのことです。
テープでのデータ保存というのは、今までもされてきたのですが
一時期は、HDDの大容量化によって一旦は下火になったそうです。
しかし、2011年に富士が金属微粒子を、より磁力が強く微細な素材に刷新した
新たな磁気テープを開発し、記録量を当時の市販品の約3倍に一気に引き上げたものを開発。
この技術革新が起きると、改めて磁気テープの良さが見直され
2012年には、世界のデータセンターで扱われているデータのうち
327兆メガバイトが磁気テープで保存されているという事実があったとのこと。
このデータ容量は2017年には2倍になると予測されているのだとか。
参照URL:磁気テープに再び脚光 大容量化でデータ向け急伸
世界でメインで生産しているのは日本の3社のみ!
この磁気テープ産業ですが、実は世界でメインで生産しているのは日本の富士、ソニー、日立マクセルの3社のみという超寡占状態だそうです。
一部の工程で、日本以外で作ることがあるようですが、それ以外はほぼ日本製。
磁気テープを作っている、日立マクセルの技術者によると
これだけの生産技術を持っているところは、他の国では殆ど無く
新規参入も難しいことから、今後も日本の寡占市場は続いていくであろうとのこと。
これだけの技術と保存性能があるので、一旦テープ記録機器を購入してしまえば
現在主流の外付けHDDより、コストパフォーマンスの面で優れるのは間違いない話で
そういうところが、人気の秘密なのでしょうね。
今後、記録用テープの伸びしろはまだまだあるとのことで
今後10年は、更に大容量のテープを生み出すことが出来る
ロードマップも既に完成しているのだとか。
これは素直に、10年後のテープがどれだけ保存が出来るかが気になるところですよね。
ただ、産業用磁気テープはまだまだ伸びしろがあるとのことで
研究は続けられていくとのことですが、家庭用のビデオテープなどは
今後展開していく予定は、今のところは無いそうです。
VHSとか、好きだったのでちょっとこれは個人的には残念では有りますね(苦笑)
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