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【逆転の発想】新潟で快速ならぬ「超鈍足」の列車が運行され好評を博す!

何かと時間に追われる現代人。
特に、絶対に時間を取られてしまう「移動」という行為については
とにかく速く!というのが命題であります。


海外ではバレットトレイン(弾丸列車)とも訳される
日本が誇る高速鉄道網「新幹線」はその速さと安全性で
日本のみならず、世界でも有名な列車となっています。


shinkansen


長距離を短時間で移動する手段として、日本では通常の鉄道網とあわせて
市民権を得ている新幹線は、新車両や新路線なども随時導入・開通しており
7日にはエヴァ新幹線が走行開始したとのタイムリーな話題もあります。




更に新幹線では飽きたらず、更に速い速度で運行が可能とされる
リニア中央新幹線の開業も今後は予定されており、とにかく
一分一秒でも速くというのが、大方の人の望み…?のようです?


個人的には、昔の交通標語(昭和48年だそうですが)
「狭い日本そんなに急いでどこに行く」という言葉を思い出し
気ぜわしい感じがする、この状況ですが、そんな現代人の
時間に対するニーズに逆行するような、超鈍足列車が新潟で運行されたのです。

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はくたかが廃止になり、収入激減となり赤字

今回話題になっている列車の運行を決めたのは、新潟の北越急行です。


新潟の上越区間を走る路線「ほくほく線」をメインに運行している会社で
(新潟県南魚沼市の六日町駅を起点とし、新潟県上越市の犀潟駅までの59.5kmを結ぶ路線)
地域の鉄道会社であり、日本の鉄道の在来線では最高速となる160kmで運行する「特急はくたか」
(ほくほく線から接続し上越新幹線の妙高高原駅から上越、金沢、福井に行くための乗り換え路線)
を今年の春まで運行していました。


しかし、今年の3月に開業した東京から北陸の奥まで繋がれた
北陸新幹線の影響を受ける形で特急はくたかは廃止され、メイン路線の一つを失った
北越急行は、大きな収入減を余儀なくされています。

北越急行、在来線特急「はくたか」廃止を発表 – 17年間でのべ4,400万人利用

北越急行は27日、在来線特急「はくたか」の廃止について発表した。ほくほく線経由で越後湯沢~金沢・福井・和倉温泉間を結ぶ同列車は、2015年3月14日の北陸新幹線金沢開業に合わせ、運転を取りやめる。

特急「はくたか」は1997年3月22日のほくほく線開業時から、越後湯沢駅で上越新幹線と接続し、首都圏と北陸地方を結ぶ特急列車として活躍してきた。開業当初のほくほく線の最高速度は時速140kmで、その後も速度向上に努め、2002年から国内の在来線で最速となる時速160kmの運転を実現。

中略

開業から今年7月末(※管理人注 2014年7月末)までの特急「はくたか」利用者数は、のべ約4,400万人(1日あたり平均6,900人)にのぼる。「深く感謝を申し上げます。引き続き安全安定輸送に努めますのでご利用ください」(北越急行)とのこと。


路線の数が少なく、北陸新幹線ができるまでは東京から新潟・金沢・福井といった
北陸を繋ぐ大動脈の一つであったほくほく線の特急はくたかの廃止は北越急行の
収入を、廃止以前の10分の1にしてしまうほどのメインの路線なのでした。


今回のはくたかの廃止を受けて、北越急行は一気に赤字になってしまっています。

北越急行、特急廃止響き初の最終赤字 15年3月期

 ほくほく線を運営する第三セクターの北越急行(南魚沼市)が25日発表した2015年3月期単独決算は、最終損益が11億円の赤字(前の期は11億円の黒字)となった。最終損益の赤字は開業以来初めて。建物やレールなどの減損損失22億円が響いた。3月の北陸新幹線の延伸開業に伴い、ほくほく線を走る特急列車が廃止となり、資産の収益性が低下したと判断した。

 越後湯沢と北陸を結んでいた在来線特急「はくたか」からの収入は売上高全体の9割を占めていたが、3月13日に廃止となった。14年度は前の年度に比べ運行日数が18日間少なく、売上高は前の期比5%減の46億円となった。経常利益は同15%減の16億円だった。

 16年3月期は売上高が前期比87%減の6億円、経常損益が3億円の赤字、最終損益は5億円の赤字を見込む。はくたか廃止の影響が色濃く残る。


9割の売上があった路線が廃止になったとなれば、北越急行の赤字は
むべなるかなと言ったところではありますが、そんな経営的に苦しい
状況に陥った北越急行が取った奇策が話題になっています。

通常、一時間ほどで走る路線区間を4時間かけて走破

現在、北越急行は特急はくたかほどではないものの
時速110kmの速さで、乗車券だけで乗れる列車としては
最速の「スノーラビット」という列車を1日1往復だけ運行しています。

超快速で北陸新幹線に挑むあの路線の真意

新潟県の六日町駅と犀潟(さいがた)駅を結ぶ北越急行ほくほく線は、北陸新幹線が開業するまで首都圏と北陸を短絡するメインルートだった。

今年3月、北陸新幹線が開業すると、営業収益の9割を稼ぎ出していた「はくたか」が運行を終了。ほくほく線は大動脈の座を失い、地域輸送を担うローカル鉄道のひとつとなった。

だが、北越急行は守りに入らなかった。越後湯沢-直江津間を十日町のみに停車する速達列車、超快速「スノーラビット」を新たに1往復投入したのである。
線形がよくカーブが少ないので、ほくほく線内ではほとんど最高速度の110キロメートルで走り続ける

超快速「スノーラビット」は、普通列車と同じHK100形電車を使用し、最高時速も「はくたか」の160キロメートルに対し110キロメートル。しかし、列車の行き違いをなくし、停車駅を十日町だけに絞るなどした結果、越後湯沢-直江津間は最短57分、表定速度(停車時間を含めた平均速度)は時速88.6キロメートルと、乗車券だけで乗れる列車としては日本最速を実現した。東京-直江津間では北陸新幹線を利用するよりも1230円も安く、しかも所要時間はほぼ同じと実用性も十分だ。「超快速」というユニークな列車種別も話題になり、新たな看板列車となった。


特急はくたかも、時速160kmという在来線最速の特急として
鉄道好きからは一目おかれる路線でしたが、このスノーラビットも
地方の路線ということでは、なかなかインパクトのある列車となっています。


そして、今回北越急行が打ち出した更なる一手は
このスノーラビットの対比ともいえる、超鈍足列車
その名も「スノータートル


うさぎとかめという童話を思い出しますが
その名の通り、ほくほく線の前述の区間・59.5kmを
なんと4時間という時間をかけてゆっくり走る列車です。


ほくほく線は単線列車のため、もちろん定期的に運行できない
イベント列車ということになるのですが、その特異性から
ネットで告知がされるや否や、すぐに応募人数の定員数に達したとのことです。


時速にすればわずか15km程度。
ちょっとした自転車並の速さで運行した列車は
普段はあっという間に通り過ぎる景色をじっくり見れるということで
乗車した方からは軒並み好反応だったといいます。

超低速列車「スノータートル」走る 背景に新幹線の存在 新たな道を歩み始めた北越急行

最初は冗談だった“超低速”

 新潟県内を走る北越急行ほくほく線で2015年11月7日(土)、“快速”ならぬ“超低速「スノータートル」”が運転されました。

 その名の通り超低速で走る、まるでカメのように鈍足な列車で、通常であれば1時間程度しか要しない犀潟~六日町間59.5kmをその4倍、4時間4分もかけて走行しました。


今まで高速鉄道を売りにしてきた鉄道会社が冗談交じりで出した奇策。
しかし、普段は高速で駆け抜ける区間をゆっくり走るという逆転の発想で
スノータートルは好評を博したという訳です。


道中には、日本の鉄道路線でも珍しい場所があり
特にトンネル内でドアを開放し、すれ違う列車から起きる
風圧を車内で体験できるといった一風変わったイベントもあり
まさに鉄道ファンとしては、一度は体験しておきたい内容なのかもしれません。

秒速10mの風が吹いた「スノータートル」車内

 北越急行ほくほく線は、線路が1本しかない単線です。よって列車のすれ違いなどを行うため、所々に信号場という線路が2本になった施設があります。北越急行ほくほく線は、この信号場がトンネルの内部にある数少ない路線で、それが“名物”のひとつです。

 またトンネル内部の信号場で停車し、列車が隣を通過していくとき、停車してる列車は大きな風圧を受けます。この“風圧”もまた、ひとつの“北越急行名物”になっています。

 超低速「スノータートル」は急がない列車。そのためトンネル内の信号場で停車し、“名物”の風圧を楽しもうという企画が行われたのですが、通常ではまず体験できない形で実施されています。

 その風圧をより楽しめるよう、列車が通過しない側の乗降用ドアを開けたうえ、さらに列車の前面、後面に設けられているドアもオープン。風が車内を駆け巡るようにされたのです。もちろん危険がないよう、開けられたドア部分には柵が設置されています。

 この状況で、隣を列車が通過したらどうなるでしょうか。超低速「スノータートル」に持ち込まれた風速計によると、およそ秒速10mの風が車内に吹いたそうです。


別に鉄道好きでなくても、一度体験してみたいと思えるような内容になっており
80人の定員があっという間に埋まってしまったという理由も分かる気がします。


あくまで、苦肉の策として出したイベントであり、恒常的に開催できるものではなく
収益性もないそうですが、あくまでこのイベントを発端としてほくほく線沿線地域に
集客をすることが目的となっているそうで、ここには厳しい生き残りにかける北越急行の努力の姿があります。


厳しい経営から生まれた逆転の発想。次回がいつあるかは未定ですが
次回があれば、その時もすぐに定員は埋まることでしょう。


新潟は、この北越急行もそうですが、新津に鉄道車両製作所があったり
新潟駅からは土日祝日限定で、SL列車が走ったり、約300段の石段を降りた先に
駅がある地下駅・筒石駅などといった鉄道関係のスポットがあります。


私は特段鉄道好きというわけではありませんが、新潟は案外鉄道好きには
なかなか魅力的な県なのかもしれません。北越急行の経営はこれからも厳しいと思いますが
新潟県民としては、地域鉄道会社としてこれからも存続していくことを願わずには要られません。


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