【悲報】ゲームディベロッパー・イメージエポックが破産へ!
主にプレイステーション系列で、ゲーム開発を請負して
ディベロッパー(ゲーム開発会社)として、経営が行われてきた
イメージエポック(以下イメエポ)が、破産したと報じられています。
~ゲームソフト「ルミナスアーク」で有名~
(株)イメージエポック(TSR企業コード:296402907、文京区大塚5-7-12、設立平成17年6月、資本金1億421万円、御影良衛社長)と、関連の(株)スマイルオンラインゲーム(TSR企業コード:300214022、港区白金台2-4-16、設立平成25年6月、資本金410万円、同社長)は5月7日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には中野剛弁護士(虎の門法律事務所、港区虎ノ門1-14-1、電話03-3508-9811)が選任された。
負債はイメージエポックが約11億円、スマイルオンラインゲームが約300万円で、2社合計約11億300万円。
イメージエポックはゲームソフトの企画・開発ならびにゲーム用映像制作などを手掛け、大手ゲーム機器メーカーから受託開発を主体に事業を展開していた。任天堂DS用ソフト「ルミナスアーク」を平成18年に開発し知名度をあげたが、22年3月期にソフト開発の失敗などから4億5197万円の赤字となり、債務超過へ転落した。
ニュースになるぐらいは、知名度があり
また、過去幾つかヒット作を開発した会社でも
こうして破産してしまうのですね。
最近のゲーム業界ビジネスの厳しさを思い知る次第です。
代表作はルミナスアーク、アークライズファンタジア、時と永遠など
イメエポは2004年に合資会社として設立され、2006年よりゲーム開発事業に着手します。御影良衛社長は、ゲームメディアに結構露出が激しい人物で
ゲーム開発会社社長としては、結構認知度があった社長でした。
開発した作品は、賛否両論と言ったところがあり
主に任天堂系は佳作、または良作。PS系では駄作が多いメーカーでした。
(といっても、開発比は任天堂系よりPS系が多かったと記憶していますが)
中には、最初ニンテンドーDSで発売されて
続編が何故かPSPで出された「セブンスドラゴン」といったタイトルもあり
何だか、ゲーム会社としてはどうなの?と言った開発もしていました。
※左がDSで出たセブンスドラゴン。右がPSPで出たセブンスドラゴン2020。
当時、この判断にはファンが困惑した。ただし、世界観は一新されている。
開発規模的には、大手には及ばず中堅ぐらいの扱いでしたが
御影社長が様々なところで、発言をする機会が多く
ゲーム業界を追っている人には、ある意味名物社長でした。
失笑を買った「JRPG宣言」
日本の昔からの伝統的なRPGを、様々な意味(敬意、または侮蔑もあり)を込めて「JRPG」(日本国内でも、海外でも言われる)と呼ぶことがあります。
ドラクエや、ファイナルファンタジーに代表されるJRPGは
特にSFC後期~PS中期ぐらいまでに全盛を誇り
この頃のRPGは国内でも海外でも高く評価されている作品が多くあります。
ところが、次世代機になってRPGと言うのは美麗なムービーなどの
映像美を競う作品が多くなり(その最たる例は、やはりFFでしょう)
映像はキレイでも、ゲームとしては駄作…と言った作品も増えています。
ここ最近の「JRPG」の凋落ぶりは全盛期を知るゲーマーからすればひどいの一言です。
また、開発費がその分高騰するようになってしまったこともあり
最近では、(J)RPGのジャンルに手を出す会社も少ないです。
昔からRPGが得意だったスクエニや、セカンドになりますがモノリスとかぐらいでしょうか。
そんなJRPG低迷期にあって、JRPGの地位を復権させようと
JRPG宣言をしたのが、当時の御影社長です。
JRPG宣言
JRPG宣言(じぇーあーるぴーじーせんげん)は、2010年11月24日、イメージエポックが「新作発表会 兼 JRPG宣言決起会」にて発表したプロモーション。
2005年頃まで栄華を極めた日本のRPGは、PlayStation 3やXbox 360などのHDゲーム機が登場した事で、衰退の一歩を辿り始める。欧米を中心にオープンワールド系のRPGや、ダイナミックな表現が売りのシューターがリリース、大ヒットした事でコマンド操作が主流の日本のRPGは、売り上げが減少し、ゲーム機の性能が向上した事で開発費がかさみ、据え置きハードでゲームを製作できるメーカーも少なくなっていった。こうした時代の流れにいつからか、海外ゲーマーから「時代遅れのゲームシステム」という皮肉を込めた意味で、またはRPGのレトロスタイルの象徴として、JRPGという言葉が使われていった。
そこで、長年、デベロッパーとしてJRPGを作り続けてきた御影良衛率いるイメージエポックは決起し、「面白いJRPGを作り続ける」という宣言を日本のみならず、世界中に示した。
しかし、ゲーマーからの反応は冷やかなもので、「ただのビッグマウス」や「JRPGという言葉を多用して自社商品を宣伝してるだけ」などの意見が多く占めており、JRPG宣言後にリリースした『ブラック★ロックシューター THE GAME』やアニメーション表現を取り入れた『時と永遠 ~トキトワ~』などは、話題性だけが一人歩きしているゲームなどと酷評され、他にリリースしたタイトルも悪いゲームでは無いものの、特に突出したものは見当たらない、と厳しい意見も多い。その後、JRPG宣言という言葉は風化し、人々から忘れられていったが、アリスソフトとタッグを組んで2014年1月30日に発売したニンテンドー3DSソフト『闘神都市』はシリーズファンや新規ユーザーから高い評価を受けた事で、ゲーマーから再注目されている。
と、中堅ディベロッパーが凄いことを宣言したものですが
解説にもある通り、このJRPG宣言を聴いて、日本のゲーマーも
冷ややかな反応であったというのは、私も覚えています。
ただ、イメエポ自体は、このJRPG宣言をした後に開発したタイトルは
全てRPGとなっており、ゲームの出来・評価云々は別として、そのスタイルを貫いたことだけは
評価されてもいいのではないかと思います。
まぁ、結果が破産では何もならないのですが…。
実はどんどん潰れているゲーム会社
御影社長は現在も行方知らずですが、ゲームとしては開発だけはある程度進行していてその版権をセガが買い取った、ステラグロウがイメエポの遺作となります。
※ニンテンドー3DSで6月に発売されるステラグロウ。発売元はセガ。
ジャンルはシミュレーションRPG。イメエポの遺作もRPGだった。
それにしてもファイアーエムブレムとかち合うのは幸か不幸か。
声優などを見る限りは、かなり力が入っているようではある。
最後のタイトルが陽の目を見れたのは、良かったですが
今後イメエポ製のゲームは無くなってしまうということになります。
今回は、そこそこゲーム業界でいろいろな意味で注目を浴びていた
イメエポなのでニュースになりましたが、実はゲーム会社と言うのは
密かに潰れたり、チームが解散しています。
あるいは、合併なども広義の解散といってもいいかもしれません。
有名な例を挙げれば、誰もが驚いた
ファイナルファンタジーのスクウェアとドラクエのエニックスが合併しての
スクウェア・エニックス。これは、ゲーマーじゃなくても知っている人は多いはず。
後は、ゲーム会社大手の合併の最初の例として挙げられたものの
結局実現しなかったセガバンダイ(まぁ、バンダイはゲーム会社とは言えないかもしれませんが)
ただ、その後ナムコと合併してバンダイナムコゲームスになったのは周知の通り。
セガはその後、サミーと合併しましたね。
割と最近ですと、コーエーテクモゲームス。
テクモと光栄が合併して、更にここに現在はアトリエシリーズなどで有名な
ガストが更に吸収合併されています。
自ブランド→インデックスに吸収→セガに吸収という
変遷をたどっているアトラスや、一旦破産して
後継会社が出来たSNKプレイモアなど。
名前が消滅した例としては、スクウェア・エニックスの子会社化されたタイトー。
タイトーの社名自体はあるものの、アミューズメントに移行しておりCSではタイトー名義のゲームは出ていません。
コナミに吸収された、ハドソン。大手メーカーでも、パッと思いつく例が
これだけありまして、非常にゲーム業界は厳しいと言わざるを得ない状況です。
そんな中、昔から合併もせずに頑張っている国内主要メーカーとしては
任天堂やカプコンが挙げられるかと思います。(SCEは、最近ゲームを殆ど出していません)
特に任天堂は、ハードホルダーでもありながら、世界最強のソフト開発会社でも有り
業界のトップランナーを30年以上続けていることは、もはや驚異の一言に尽きます。
海外の例でも、有名ゲームを作ったスタジオが閉鎖されただとか
レイオフが行われただとか、チームが解散したという話は多数伝わってきており
ファミコンバブル時代のような、出せば売れるという時代では無くなっています。
また、最近の大手はスマホゲームに進出しており
一部のモンスターヒットタイトルが、会社の利益を底上げしている状況では有ります。
ただ、スマホ課金については、一部の重課金プレイヤーがサービスを支えているとも言われており
スマホゲームが、今後も維持できて行けるかは疑問の声も挙がっています。
そんな中、DeNAと組んでスマホ業界参入の意思表示をした任天堂ですが
果たして、衰退が大きくなっているゲーム業界の光明になるのか
今後の動向から目が離せない状態になっています。
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今更ですが、こちらの会社さんが倒産される前に、
とある派遣会社さんからお仕事(RPGの開発)のお話をいただきまして、
一緒にお伺いさせていただいたいたことがあります。
当時は浜松町(だったかな?)のオフィスで、割と高級感がありました。
態度は慇懃なのですが、彼らの発言が引っかかりました。
『若い人向けに作りたいので、スタッフも若手で固めたい』
※実は同じことを最近言われまして、それで思い出してこの記事を見つけたので、コメントを書いてます。
このとき、だったら経歴書とか見てるんだから書類の段階で堕とせや! と非常に腹が立ったのは覚えてますw
それを聞いて自分の台詞は「じゃあ帰っていいですね?」でしたからw
が、帰りながら思ったことはまた別のこと。
あーどっか出見たようなシステムと内容をツギハギしてゲームを作るんだな、でした。
簡単に言えば、小学生向けのゲームは小学生が作るんかい! ということです。
ロクなモンにならんな、と。
その理由は何かを作るには知識と知恵から生まれると思っているからです。
資料を研究するという名目でゲームで遊び、こうなっているんだ、なるほど、とか
自分だったらこうするのにという前提で遊ぶ人は多々いますが、
自分が今作っているゲームはどうすればいいだろう?
オリジナルとしてしっかりと検討して・・・・ということをしている人は、
実は国内にはあまりいません。
今、ゲーム業界で開発者として有名な方々は、それをしているから有名になったんです。
この部分はAというゲームから、この部分はBというゲームから。
あの売れているゲームはこうしているからうちもそうしよう。
ゲーム業界のだいたいはこんな感じです。
絵師さんや声優さんを使う理由も同じですね。
というわけで、こちらの会社さんが倒産された理由と、
ゲーム業界が冷えている理由を業界歴が無駄に長い人が考察してみました。